八十八夜ってどんな意味?2024年はいつになる?

八十八夜2024いつ 意味

春も終わろうとしています…、こうして季節の変わり目になると、職場などでも雑談中に、暦や行事の話題になることがありますよね。
たとえば、「端午の節句近づいてきたね~」とか…暦って大抵は誰でもわかるし、話しやすいので、雑談の話題に上りやすいんですよね。

しかし…そんな、誰でもわかる筈の、暦や季節に関する雑談で、「あれっ、それ私よく知らない…」ってなること、ありませんか?

たとえば、今の季節たびたび話題にされる、八十八夜

八十八夜って、童謡の「茶摘」の歌詞にも出てくるので(「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る」というあれです)言葉自体は知っている、という方は多いでしょうが…

「夏も近づく八十八夜

上記の桃の節句や端午の節句のように行事があるわけでもないので、いまいち馴染みがなく、八十八夜が一体いつのことなのか、意味はなんなのかすらも知らない、という方は沢山居られると思います。

しかし、知らなくても、「当然知ってるよね」という雰囲気で話題にされると、「私、八十八夜のこと知らない」とも言いづらいですし、ずっと、そのままにしてる…という方も、居られるでしょう。

そこで、今回はこの、季節や暦の話題に度々あがるけれど、案外知らない、八十八夜について、これがいつのことなのか、2024年の八十八夜はいつなのか、そしてどんな意味があるのか、などをご紹介します!
ぜひ、雑談のネタや雑学知識に加えるひととつして、お役立てくださいね。



 

八十八夜ってなんなの?その意味は?

八十八夜とは、季節の移り変わりをより分かりやすくするために決められた、特別な暦日である、雑節(ざっせつ)という暦のひとつです。

一般的に雑節と言われるものには、節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日の9つがあり、八十八夜はこの中のひとつなんです。

ちなみに、季節を示す暦には他にも、春分、夏至、などでおなじみの、1年を24の季節で区切った、二十四節気などがあります。
しかし、これらの暦は2400年前の中国の気候をベースに作られて日本に伝わったものなので、実際の日本の気候や季節とは少しずれているんですよね。

雑節(ざっせつ)という暦のひとつです

そこで、その日本に少し合わないズレを補足して、日本の季節に合うようにするために新しく設けられたのが、上に書いた雑節、というわけです。
昔は暦を頼りに、行事や儀式などだけでなく種まきや収穫などの農作業などもしていたわけですから、雑節は、生活にも関わる、かなり重要な暦日だったのですね。

そんな雑節のひとつである八十八夜が、どんな意味の暦日なのかというと…

二十四節気のひとつである「立春」から88日目、のことです。

二十四節気のひとつである「立春」から88日目、のことです。

季節としては、日本では春から夏に変わる境目のあたりで、天気がとても安定している時期で、また「八十八夜の別れ霜」という言葉もあり、その言葉のとおり、この時期になると霜も降りなくなることから、種まきをはじめとした、農作業の目安となる時期でもあります。

また実際、昔の人はこの春から夏に移る時期にあたり、八十八夜を迎えたら夏の準備を始め、この日を目安に種まきなどをしていたそうです。
つまり、八十八夜は農業をする人にとって、特に重要な日だったのです。

現在、八十八夜に馴染みがない、意味を知らない、という人が増えたのは、農業に関わる機会が減ったから、という理由もあるのかもしれませんね。

 

 

2024年の八十八夜はいつ?

八十八夜が立春から、88日目のことである、と前項で書きましたが、では、2024年の八十八夜はいつなのか?も気になるので、調べましたよ。
それによると…

2024年5月1日(水) が今年の八十八夜です。

そして、これは毎年同じ日かというと、そうではありません。なぜなら、立春も閏年などの関係で、毎年少しづつ変わるからです。
なお、2024年の立春は2月4日(日)でした。

立春がその年によって2月4日前後あたりで変わるので、八十八夜もその年によって5月1~3日くらい変わってきます

「毎年大体このあたり」と覚えておくと良いでしょう。

2024年5月2日が今年の八十八夜でした。

ご参考までに、2024年の二十四節気と雑節を一覧にまとめました。

2024年の二十四節気 2024年の雑節
小寒(しょうかん) 1月6日    
大寒(だいかん) 1月20日    
立春(りっしゅん) 2月4日 節分(せつぶん) 2月3日
雨水(うすい) 2月19日    
啓蟄(けいちつ) 3月05日    
春分(しゅんぶん) 3月20日 彼岸(ひがん) 3月17日
清明(せいめい) 4月4日 社日(しゃにち) 3月15日
穀雨(こくう) 4月19日    
立夏(りっか) 5月5日 八十八夜(はちじゅうはちや) 5月1日
小満(しょうまん) 5月20日    
芒種(ぼうしゅ) 6月5日 入梅(にゅうばい) 6月10日
夏至(げし) 6月21日    
小暑(しょうしょ) 7月6日 半夏生(はんげしょう) 7月1日
大暑(たいしょ) 7月22日 土用(夏土用入) 7月19日
立秋(りっしゅう) 8月7日    
処暑(しょしょ) 8月22日    
白露(はくろ) 9月7日 二百十日(にひゃくとおか) 8月31日
秋分(しゅうぶん) 9月22日 二百二十日(にひゃくはつか) 9月10日
寒露(かんろ) 10月8日    
霜降(そうこう) 10月23日    
立冬(りっとう) 11月7日    
小雪(しょうせつ) 11月22日    
大雪(たいせつ) 12月7日    
冬至(とうじ) 12月21日    



 

八十八夜の行事にはどんなものがある?

冒頭で、
八十八夜は、桃や端午の節句のように大きな行事が無くて馴染みが無い…というようなことを書いたのですが、本当にそうなのかな?何も無いのかな?と疑問に思ったので、ここでは、八十八夜の行事について調べてみました。

それによると…

現在でも、農家では八十八夜に、霜よけのよしずを取り払ったり、農耕開始の到来を祝って神事が行われることがあるようですよ。

ただこれはやっぱり、農業従事者でないとあまり関わりが無いので、一般的には馴染みはないことに変わりないですよね。
もうちょっと、「八十八夜にはこれを食べると縁起が良い」的な、分かりやすい行事や言い伝えなどは無いか、調べたところ…ありました。

八十八夜に摘まれた新茶は、不老長寿の縁起物

八十八夜の行事にはどんなものがある?

これです!

その年で最初に新芽を積んで淹れたお茶のことを新茶といいますが、中でも、八十八夜に摘まれた新茶には、冬の間に蓄えられた成分が詰まっており、身体にも良く不老長寿の縁起物であると、昔からいわれてきたのです。

 

これは、八十八夜にお茶を飲む、というような行事ではありませんが、八十八夜の頃に茶摘の時期がくる産地の、八十八夜に摘まれた新茶はお茶のうまみなどになる、テアニンなどの成分が豊富に含まれ、香りも良いので、機会があれば、暦日の意味を思い出しながら、飲んでみることをおすめします!

八十八夜摘み

また、お茶の産地によっては、八十八夜にイベントが行われているところもあります。

たとえば、京都の宇治市では、八十八夜の日に『宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い』というイベントがあり茶摘み体験や抹茶の碾臼体験、製茶体験など、普段はできないことを楽しめるとあって、人気がありますよ。

宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い
出典:宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い

もしお近くにお茶の産地があり、こういったイベントがあるなら、八十八夜に出かけてみるのも、季節を感じられていいかもしれません。

 

 

以上、八十八夜について、その意味や、2024年の八十八夜がいつなのか、関連する行事、などのご紹介でした。

基本的に、八十八夜は特に農業に関連する重要な暦日なので、農業従事者以外には、なかなか馴染みが無い日ではありますが、それ以外の方でも、新茶を飲んだり、茶摘みイベントに出かけてみたり、意味を知れば季節を感じて楽しめる日でもありますので、機会があれば、八十八夜の日のお茶やイベント、楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、冒頭に書いたような、季節の話題の雑談中、八十八夜の話になったとき、今までは「八十八夜って、良く知らないけど、今更訊けない…」と思っていた方も、今後はぜひ、「八十八夜か~春から夏に変わる季節だね~」とか、堂々と話題に加わったり話を広げてみてくださいね!

皆様の、そんな雑談のネタや雑学知識に加えるひととつして、この記事がお役にたてれば、嬉しいです。

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